V、半導体
今までは受動回路の動作を学習してきた。しかし電子回路を構成するためには能動回路
素子が必要である。ここでは能動回路素子の基本となる半導体の特性と半導体素子について学習する。
1,金属と半導体
金属と半導体は似ている。実は結晶と電子構造はほとんど変わらない。しかし、金属は電気を良く流し、半導体はほとんど流さない。その違いはなんだろうか?
本当に半導体の動作メカニズムを理解するためには量子力学と固体物理学を理解する必要がある。もちろん、この短時間でそんな高度な内容を学ぶことはできな
いが、そのイメージをバンド理論の形でつかんでみよう。
2,PN接合
半導体の動作の基本はPN接合にある。バンド理論を使ってPN接合の動作を理解してみよう。また、PN接合を使った素子であるダイオードの性質を色々と紹介する。
3,トランジスタ
半導体を使った能動素子の代表であるトランジスタは、多くの電子装置の基礎となっている。トランジスタはどのようなメカニズムで動作しているのだろう。また、なぜトランジスタはそれほどまで重要な役割を果たすことになったのだろう。
4,トランジスタ増幅回路
トランジスタは便利な増幅素子だが、それを使うためには付属する回路が必要になる。トランジスタ増幅回路を例に回路設計をしてみよう。
5,オペアンプ
トランジスタ回路を設計することは、電子回路の動作を理解する上では良い練習になるが、実際にそれを設計して実用的な回路として利用するこ
とは難しいことが分かった。もし、何らかの電子回路を作製したい場合はオペアンプを使った方が遙かにたやすく、特性の良い回路が作れる。ここでは比較的利
用価値の高いオペアンプ回路を紹介する。