Lecture on Fundamental Lab Class

実験基礎講座

 

このページには実験基礎講座、テーマ3の資料を置く。必要に応じてダウンロードして利用してもらいたい。

また、演習の実施結果も併せて掲示するので、解答の有無、解答例などを確認してもらいたい。


テーマ3、負性抵抗の測定、実験資料


演習

 以下、実験に関わる重要な知識を演習の形で提示する。暇なときに解答を考えてみよう。
 解答例と解説が下にある。

演習1、

 【問、卵を5個、電子天秤に載せて重さを計ったとところ、312.45gでした。卵1個の重さは何gでしょう。】

演習2、

【問2、今日は薬品を使った化学実験です。実験操作中にホコリが目に入ってしまいました。さてあなたはどうするでしょう。対処方法を書いて下さい。】

演習3、

 【問3、体積モル濃度0.1モル/Lの食塩水を1 L作るため、1 Lの水に食塩5.84gを加えて溶かした。この操作は間違っているが、その理由を述べよ。(食塩の分子量を58.4g/モルとする)】


解答例

演習1

例A.    問題文の数字の精度は、1桁(5)と5桁(312.45)で、精度が異なる。2つの精度の異なる数字を用いて計算した結果は、最も精度の低い数字に合わせ る必要があるので、精度は1桁しかないことになる。よって、卵の重さは6×10の1乗グラムとなる。

例B.    解答例Aは間違っていないが、卵はひとつひとつ重さが違うことを明確に考慮した表現ではない。実際には卵が60グラムぴったりの重さとなる分けではなく、 60g前後の色々な重さの卵がある。なので、約60g、またはこの卵の重さの分布の中心が60gよりやや重めであることを示すため、約62gと書いても良 い。

解説:数字の精度を考慮することは、誤差の原因を明確にすることでもある。特に精度の高い測定やシミュレーションをする場合には非常に重要な問題になる。 最近の話題でも、光速を超える速度の粒子が観測されたという発表があったが、後には測定回路の動作速度の見積もり間違っていて、実際には粒子の速度は光速 を越えていなかったことが分かった。同様の、誤差見積もりの間違いによる結果の修正は少なからずあるので、数字の精度は正しく見積もる必要がある。


演習2

例.洗眼器で目を洗い、次に手を洗ってから、きれいな布で目を拭きましょう。

解説:薬品を使った実験に限らず、実験の場では様々なところに安全上の注意が必要です。例えば、薬品を使った手で目をこすってしまうと、ホコリは取れても危険 な薬品が目についてしまう可能性があります。気づかずにそのまま放置すると、目を傷つけてしまう場合もあります。「自分はそんな馬鹿なことはしない」と 思っていても、例えば髪の毛はどうでしょう?思わず手でかき上げてしまうことはないでしょうか。薬品が髪についたままにしておけば,やがて首筋や頬まで汚 染されることになります。無意識の動きをコントロールするために、実験室では安全上必要なことを、明確に意識しておく必要があります。長い髪は縛ったり、 髪留めでまとめておくのも良い方法です。


演習3

例. 1 Lの水に5.84gの食塩を加えると、体積は1 L以上になる。よって食塩水の濃度は0.1 モル/Lより小さい値になってしまう

解説:1 Lの水に5.84 gの食塩を加えると、混合された食塩が解離し、イオンが水分子の隙間に入り込み、水と食塩、両者の体積の和は減少するが、全体積は1 Lよりは大きな値になる。このため、食塩水の正確な濃度は1 モル/L以下となる(約0.998)。正確に1 モル/Lの食塩水を作るためには、ビーカーの中で、5.84 gの食塩に少量の水を加え、食塩を溶かした後にメスシリンダーに移し、さらに水を加えて1 Lにする(この操作をメス・アップと呼ぶ。)。メスシリンダーに移す際にも、ビーカーを2回程度水で洗って、洗い水も含めてメスしリンガーに移す操作が必要である。低濃度では間違った操作でも濃度はほとんど変わりないが、高濃度では誤差が大きいので正しい実験操作を身に つける必要がある。

Lecture へ


 


Lecture へ