島根大学 生物資源科学部 地域開発科学科 生物環境情報工学講座
Department of Regional Development, Faculty of Life and Environmental Science, Shimane University

SIMS VXIの報告

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SIMS XVIの報告
第16回二次イオン質量分析国際会議 2007.10.29-11.2




SIMS XVI@Kanazawa





Life Science分野への応用活発化

 招待講演を含めて口頭発表121件、ポスター発表206件の合計327件の発表があった。表に発表分野の内訳を示す。ただし、Biomaterials以外ののセッションでもバイオ分野に関連する発表は多く、2年前のSIMS XVと比較して、ライフサイエンス系の発表件数は飛躍的に伸びた。



 バイオ材料の計測では、TOF-SIMSを用いる場合が多いが、ダイナミックSIMSによる観察例も少なくない。測定対象は、動物細胞、生体膜、タンパク質、核酸、植物、魚類、微生物、脂質二重膜など生体試料測定を目指した基礎的検討としての材料など幅広かった。医学、化学系も含めて生物学系の研究へのSIMSの応用は定着しつつあると感じられた。ただし、生体組織を対象とした場合、金属やある種の有機物などの検出および分布イメージングは可能だが、タンパク質に関しては未だ困難である。
 多変量解析法や情報エントロピーを利用したスペクトル解析法も必要に応じて取り入れられ、複雑なスペクトルデータの解析は一般的な手法に発展しつつある。またタンパク質から発生するフラグメントを予測する試みも発表され、今後の発展に期待できる。
 現状でもSIMSはバイオ分野への貢献は大きいと期待されるが、組織中のタンパク質の解析など未だ困難な問題も残されている。こうした問題の解決のためには、基礎的な検討に加えて、ブレークスルーが必要であると感じられた











 2009年の次期SIMS国際会議(第17回)は、トロントで開催される。




SIMS Europe 2008





Written by AOYAGI, Satoka
文責:青柳里果