成蹊大学理工学部物質生命理工学科
Department of Material and Life Science, Seikei University

本の紹介

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基礎物理学2 「熱学」、小出昭一郎、東京大学出版会


「熱力学」の授業用の教科書は、なかなか良いものが見つけられませんでした。学部生に教えたい内容が全部含まれていて、分かりやすく、かつ、熱力学の広がりも感じられるような本、そして、なるべく低価格なもの、と思うと、どの本も一長一短あり、困っていました。

良い教科書を書かれたことで知られる小出昭一郎氏の「熱学」は、私が学部生に絶対に教えたい、と思う内容がすべて含まれていました。まず、熱力学第0法則から説明が始まり、熱力学を理解する上で必要な概念が丁寧に説明されています。強いて言えば、化学的な内容の説明が少なく、たとえば、反応エンタルピーや生成エンタルピーについての記述はありませんが、物理学の本ですから仕方ないでしょう。
学生さんにとっては高いかもしれませんが、2800円(税抜き)という価格を考慮しても、最良の熱力学の本と今のところ思っています。



2010年1月21日