Midterm Examination

中間演習(11月6日)解説

問題1
(1) 疎水性相互作用は水分子が分極しているために発生する。その発生機構を説明せよ。(3行程度)
解答例:疎水性物質は水と水素結合と作らず、分子間の水素結合を阻害し、系のエネルギーを上昇させる。このため、できるだけ水素結合を切らないように集合 していて、凝集力が働くように見えるのが疎水性相互作用である。5点

(2) 疎水性相互作用を含む弱い結合力がタンパク質の機能の実現において重要な理由を述べよ。(3行程度)
解答例:酵素作用などの生体内の反応は、室温で進行する可逆な反応である。そのためには室温で結合・解離が可能な弱い結合を組み合わせて実現する必要があ る。5点

問題2
 DNAとRNAの違いについて考えてみよう。
(1) DNAとRNAの化学構造上の違いを、5行程度で述べよ。
解答例:DNAはデオキシリボースを含むデオキシリボヌクレオチドの重合体で、アデニン、グアニン、チミン、シトシンを塩基とする。RNAはリボースを含 むリボヌクレオチドの重合体で、アデニン、グアニン、ウラシル、シトシンを塩基とする。5点

(2) DNAとRNAの、生体内での機能上の違いを、5行程度で述べよ。
解答例:DNAは相補的二重螺旋を作り、遺伝情報を記憶する働きを持つ。RNAは相補鎖を持たず、一重鎖が複雑な立体構造を作って、タンパク合成、核酸の 切断、遺伝子の発現制御などの機能を果たす。5点

(3) RNAは生体内ではDNAよりはるかに分解されやすい。その理由を、前2問の解答と関連づけて推測せよ。答えは5行程度で述べよ。
解答例:DNAは遺伝情報の記憶のために安定な構造を持つ。RNAは細胞内で機能的であるため、細胞内の濃度を最適な値に制御する必要がある。そのため、 細胞内に生産と分解のシステムが存在し、それらの速度で濃度を制御しているので、安定なDNAに比べ分解速度が速い。5点

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